高校生から社会人まで17名が、唐津の海ごみを「拾って終わり」にしない仕組みを考えた。issue+design「海のデザインスクールin唐津」にNPO法人唐津Farm&Foodが講義と体験を担当
NPO法人唐津Farm&Foodは、唐津市で開催された「海のデザインスクールin唐津」において、1日目の講義とアップサイクル・ワークショップを担当しました。
NPO法人唐津Farm&Food(佐賀県唐津市、代表理事:濵口のぞみ)は、2026年9月5日(土)・6日(日)に唐津市で開催された特定非営利活動法人issue+design主催「海のデザインスクールin唐津」において、1日目の講義とアップサイクル・ワークショップを担当しました。
全国から集まった高校生から社会人までの参加者17名が、唐津の海岸で起きている課題を現地で確認したうえで、「漂着ごみの構造を可視化し、循環をデザインする」をテーマに2日間で企画を練り上げました。
特定非営利活動法人issue+designが主催する、海ごみの課題をデザインの視点から考える2日間のプログラムです。1日目は参加者が呼子の朝市や波戸岬など唐津の現場を巡ったのち、同法人の講義とワークショップに参加し、その日の夜から2日目にかけて、各自が企画を作成して発表とフィードバックを重ねて練り直しました。
あわせて、2023年に視察したバリ島において、ホテル内で廃棄物の循環が完結する事例や地域の人が循環の入口になっている事例を、「唐津で何を真似し、何は真似できなかったか」まで含めて紹介しました。講義の締めくくりには「感想は、問いを生まない。測定が、問いを生む」とし、その後の体験で「数えるもの」を一つ決めたうえで参加者のワークへとつなぎました。
ワークショップ:唐津のキャップが、手の中で製品になる
体験の原料には、唐津市内で回収したペットボトルキャップを使用し、バージンプラスチックは使用していません。参加者は、持ち込まれた射出成形機のレバーを一人ずつ操作し、キャップが製品になる瞬間を体験しました。
同法人が運営する「Precious Plastic 唐津」では、洗浄・細断したキャップを自作の射出成形機で成形し、コースターやキーホルダー、植木鉢などの製品に再生しています。これまでの体験・ワークショップの累計参加者は25,971名、回収したペットボトルキャップは3,026kg(いずれも2026年4月時点)です。
「『海にごみが漂着している』という事象だけでなく、どのようなものが、どこから、なぜ流れ着くのか、今何が起きていて、どんな対応をされているのかを知ることこそが、課題解決の出発点になるのだと実感しました。」
「『ボランティアの熱量だけに頼るんじゃなくて、集めた後の処理や回収の仕組み自体を賢く作って解決する』っていうアプローチがめちゃくちゃ大切だと思いました。ただごみを拾って終わりじゃなくて、それが地元の漁具や街の資材として巡っていくストーリーもすごく面白かったです。」
「課題解決では最初から『何をするか』を考えるのではなく、現場を見る→課題を可視化する→関係性を捉える→循環を考える→一つの仕組みに落とし込むという順番が重要だと学びました。」
「正しさだけでも、面白さだけでも足りない。自分がやってみたいと思えることと、実際に困っている人の課題、そして多くの人が関わりたくなる入口をどうつなげるかを考え続けることが、今回のスクールで一番学んだことだと思う。」
「現場を見て、手を動かして、問いを立てる。この順番を2日間で通しでやりきる場は多くありません。参加者の企画が『拾う』の先の仕組みに向かっていったことが、何より嬉しかったです。唐津のキャップから生まれた作品が、それぞれの地元で次の問いの種になればと思います。」
外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。
目標14 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。 14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。 14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し対処する。 14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。 14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。 14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する**。 **現在進行中の世界貿易機関(WTO)交渉およびWTOドーハ開発アジェンダ、ならびに香港閣僚宣言のマンデートを考慮。 14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。 14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。 14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。 14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。