「ほっともっと」の店舗網が、こども食堂の食支援受け取り拠点に。
PEOPLE

「ほっともっと」の店舗網が、こども食堂の食支援受け取り拠点に。ブレンズとネッスー、沖縄の食支援「ラストワンマイル」課題の解消に向けた実証実験を本格始動

株式会社ブレンズとネッスー株式会社は沖縄県内の「ほっともっと」店舗を地域のこども食堂が食支援物資を受け取るための拠点として活用する実証実験を開始します。

沖縄県で「ほっともっと」「やよい軒」を展開する株式会社ブレンズ(本社:沖縄県那覇市、代表取締役社長:光武 輝彦、以下「ブレンズ」)と、「すべてのこどもたちが、公平に、未来へ挑める社会」の実現を目指すネッスー株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役:木戸 優起、以下「ネッスー」)は、共同で、沖縄県内の「ほっともっと」店舗を、地域のこども食堂が食支援物資を受け取るための拠点として活用する実証実験を開始します。
本取り組みでは、支援物資を届けるための新たな物流網を構築するのではなく、「ほっともっと」の店舗網と既存の納品便を活用します。店舗敷地内には物資受け渡し用の倉庫を設置し、こども食堂が必要な物資を自ら受け取れる仕組みを整えます。
これにより、店舗スタッフの負担を抑えながら、これまで支援物資の受け取りに時間や移動の負担が生じていた沖縄県の中部・北部への配送を効率化し、食支援における「ラストワンマイル」課題の解消を目指します。ブレンズは、県内に広がる店舗網と日々の納品便を地域の食支援に役立てるべく、受け取り拠点となる店舗の選定や倉庫の設置、店舗での受け入れ体制づくりを主体的に担います。ネッスーは、仕組みの構築・運営と、ほっともっとと地域のこども食堂などをつなぐコーディネートを担い、両社が一体となって本取り組みを推進する方針です。
両社は、2026年9月から実証実験を本格化し、沖縄県内のこども食堂へ食支援物資を配送します。実証を通じて、配送効率や受け渡し方法、店舗および支援団体の運用負担などを検証し、県内の他店舗・地域への展開可能性を検討します。



【経済格差・地域格差が生むこどもの貧困】
沖縄県は、2014年のこどもの相対的貧困率が29.9%と全国平均の約2倍以上にのぼり、全国でも最も高い水準にあります。ひとり親世帯の割合は全国最多で、さらに1人当たりの県民所得は全国最下位と、こどもたちの生活基盤に厳しい環境が重なっています(※1)。

【離島県ゆえの物流コストと、全国一高い「食」のコスト】
沖縄県は離島県という地理的特性から、物流・物価の高騰が顕著で、食料価格指数は全国で最も高い水準となっています(※2)。栄養のある食事にアクセスしにくいこどもたちが多く、その支援をいかに継続・安定させていくかが、地域全体の大きな課題となっています。

【那覇までは届く、その先が届かない】
沖縄県内では、2025年9月時点で373か所のこども食堂が確認されています。こども食堂がある小学校区の割合を示す「充足率(校区実施率)」は65.89%で、全国の39.69%を上回り、全国1位となっています(※3)。
一方、本取り組みの検討にあたり地域の支援団体へヒアリングしたところ、寄贈された食支援物資の受け取り拠点が那覇市など沖縄本島南部にあり、中部や北部の運営団体が物資を受け取るために長距離を移動している実態が明らかになりました。実際に、近隣のこども食堂の分もまとめて、沖縄市から那覇市まで物資を受け取りに行っている団体もあります。
県内にこども食堂が広がる一方で、用意された支援物資をそれぞれの活動現場まで届ける手段は十分とはいえません。この物資配送の「最後の区間」に当たるラストワンマイルの課題を解消することが、本取り組みの目的となっています。

【①新たな配送網をつくらず、既存の店舗網と納品便を活用】
沖縄県内77店舗の「ほっともっと」のうち、まずは沖縄市・宜野湾市の2店舗を食支援物資の受け取り拠点とし、物資は通常の商品を店舗へ届ける既存の納品便に混載して運ばれます。専用の配送網を新たに構築しないため、低コストで継続しやすい仕組みです(物資の輸送費用はネッスーが負担します)。

【②「セルフ受け取り方式」で店舗の負担を最小限に】
店舗敷地内に鍵付きの倉庫を設置し、あらかじめ登録された団体が自ら開錠して物資を受け取ります。数量や配送状況の連絡は支援団体とネッスーが直接行うため、店舗スタッフの受け渡し業務や問い合わせ対応は原則発生しません。

【③地域のハブとなる「連携団体」が近隣のこども食堂へ分配】
各店舗には、倉庫の管理と受け渡し調整を担う「連携団体」が協力します。1店舗当たり5~7団体との連携を想定し、1つの拠点から複数のこども食堂へ物資が行き渡る体制を構築します。今回の実証で運用モデルを確立し、県内の他店舗・地域への横展開を目指す方針です。



県内の他店舗・地域への展開可能性を検証するため、2026年9月から実証実験を本格化し、沖縄県内のこども食堂へ食支援物資を配送します。
先行して、2026年6月1日には第1回配送を実施し、倉庫を経由してお米(こどもふるさと便・ななつぼし)を沖縄市・宜野湾市の連携団体へ届けました。受け取った団体からは「食べ盛りの子どもたちが、おにぎりにして嬉しそうに食べていた」といった声が届いています。

実証期間中は、以下の項目を中心に検証します。
・既存納品便への混載による配送効率
・倉庫を活用した受け渡し方法の安全性と利便性
・店舗スタッフおよび支援団体の運用負担
・物資の数量・品質・受け取り状況の管理方法
・他店舗・地域への展開可能性

【実証実験の実施店舗】
・ほっともっと古謝店(所在地:沖縄県沖縄市海邦2丁目12-21/連携団体:一般社団法人くじら寺子屋)
・ほっともっと愛知店(所在地:沖縄県宜野湾市赤道2丁目4-12/連携団体:おきこまネット)

【各社メッセージ】
■株式会社ブレンズ 代表取締役社長 光武 輝彦
株式会社ブレンズは創業以来、「食を通して、お客様の暮らしの満足度や利便性に寄与したい」という理念のもと、地域に根ざした事業を続けてまいりました。今回の取り組みは、私たちが日頃から活用している店舗網や物流を、地域の皆さまのお役に立てられないかという思いから始まったものです。
沖縄県内には多くのこども食堂がありますが、支援物資を受け取るために時間や距離の負担を抱えている団体も少なくありません。この実証実験が、そうした課題の解決に少しでも役立ち、地域で子どもたちを支える活動の一助となれば大変うれしく思います。今後も地域企業として、できることを一つひとつ積み重ねながら、沖縄の皆さまとともに地域社会へ貢献していくと述べています。

■ネッスー株式会社 代表 木戸 優起
ネッスーは「すべてのこどもたちが、公平に、未来へ挑める社会」の実現を目指し、地域の皆さまとともに、こどもたちへ食と機会を届ける仕組みづくりに取り組んでいます。今回、沖縄の暮らしに深く根づいた「ほっともっと」の店舗網を、ブレンズとともに食支援に活かせることを、大変心強く感じています。
支援が届きにくかった中北部のこども食堂へ、無理なく、安定して物資を届けられる仕組みをこの実証で確かなものにし、沖縄から全国へ広がるモデルへと育てていきたいと意気込みを示しています。



外務省 SDGsサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
1.1 2030年までに、現在 1 日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、 すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。