高尾100年の森
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高尾100年の森プロジェクトにおける実証事業 ステラーグリーン、佐川急便、Water Scapeが連携

株式会社ステラーグリーン、SGホールディングスグループの佐川急便株式会社、サントリーグループのWater Scape株式会社は、3社共同でJ-クレジットの創出及び水源涵養によるJ-クレジットの高付加価値化を目指した実証事業を実施します。

森林カーボンクレジット創出の支援事業を展開する株式会社ステラーグリーン(本社:東京都中央区、代表取締役社長 兼 CEO:中村 彰徳)、SGホールディングスグループの佐川急便株式会社(本社:京都府京都市南区、代表取締役社長:笹森 公彰)、サントリーグループのWater Scape株式会社(本社:兵庫県芦屋市、代表取締役社長:川﨑 雅俊)は、東京都八王子市に位置する「高尾100年の森」において、3社共同でJ-クレジットの創出及び水源涵養によるJ-クレジットの高付加価値化を目指した実証事業を実施します。
本実証事業は、東京都の「吸収・除去系カーボンクレジット創出促進事業」に採択されたもので、森の価値を見える化し、地域と都市がともに支える新しい循環経済のモデルを構築することを目的としています。

日本の森林は小規模かつ分散的に所有されているため、現行制度ではコストや手続きの負担が大きく、継続的な管理が難しいという構造的課題を抱えています。本実証事業では、衛星データとAIを活用して森林の状態を高精度かつ低コストでモニタリングするとともに、森林が蓄える地下水や水循環の変化を定量的に可視化します。これらの取り組みは、木材生産の効率化ではなく、森林が本来持つ環境的価値(炭素・水・生態系)を経済の中で機能させる仕組みづくりを目的としています。
クレジット制度(J-クレジットなど)を活用しながらも、制度に依存せず、より最適な仕組みがあれば柔軟に適用できるモデルを目指します。



1.実施期間 2025年8月5日(火)〜2026年12月31日(木)

2.実施地
東京都八王子市「高尾100年の森」

3.本実証の背景
日本の森林は、私たちの生活・文化・観光・建材など、さまざまな形で社会を支えてきました。しかし、木材価格の低迷や担い手不足、所有の分散化により、管理が行き届かない森林が増加しています。一方で、森林は二酸化炭素の吸収だけでなく、水源涵養や生物多様性保全など、多面的な機能を持つ重要な自然資本です。
ステラーグリーンは、こうした“見過ごされた価値”をデータとテクノロジーで可視化し、地域と都市がともに支える新しい森林経営モデルの構築を目指しています。

4.実証事項
①衛星データの活用・AI補正によるモニタリング
従来の航空レーザー計測に代わり、衛星データとAI補正を組み合わせて森林成長を継続的に把握。これにより、J-クレジットなどに必要な吸収量評価を、より低コストかつ高頻度で実現する。
②森林管理による水源涵養効果の定量化及び将来予測ロジックの構築
森林が地下水に与える影響をデータとして可視化し、「森が水を生む」という機能を科学的に評価。これにより、カーボン吸収量に加えて、水源涵養などの多面的な環境価値を「付加価値」として位置づけ、クレジットの質的向上を図る。
現段階では、水や生物多様性といった要素を独立したクレジットとして定量的に評価することは難しいものの、カーボンに対してそれらの価値を上乗せ(プレミアム化)する設計は可能と考えています。本実証ではその仕組みを検証し、将来的には、水や生態系を評価対象とする新たなクレジットモデルの検討にもつなげていきます。

5.各社の役割
①ステラーグリーン
・衛星データとAI補正によるモニタリング精度の実証
・J-クレジット制度対応のノウハウの提供
②佐川急便
・実証フィールドの提供
・森林管理
③Water Scape
・地下水の測定、分析、シミュレーション
・水源涵養に関するノウハウの提供

本実証事業は、「佐川急便」×「Water Scape」×「ステラーグリーン」という、森と水と人を繋ぐ3社の協働によって実現します。佐川急便は、自社で森林を保有・管理し、「高尾100年の森プロジェクト」を長年に渡り推進してきました。Water Scapeは、水源涵養や地下水モニタリングなど、水循環の定量化において高い専門性を有しています。ステラーグリーンは、特許取得済みの衛星データとAIを活用し、森林・水・生態系の価値を見える化して経済価値に変換するノウハウを持ちます。
森を支える人、水を支える人、それらを経済に橋渡しする仕組み。それぞれの専門性を活かし、「自然資本の都市モデル」を東京から発信します。



佐川急便が所有する高尾の森林約50ヘクタールを対象に、地域の方々の理解を得ながら、市民、大学、企業などの協働による里山管理という新たなスタイルによって「100年」という言葉に象徴される、ゆったりとしたタイムスケールで整備・保全を進める活動です。
2007年にプロジェクトがスタートして以来、森林管理、環境教育、生物多様性調査などを実施し、2020年には社会・環境機能の価値を総合的かつ客観的に評価する「緑の認定」SEGES(シージェス)制度にて、Excellent Stage 3に認定されています。
佐川急便 高尾100年の森プロジェクト:https://www.sagawa-exp.co.jp/takao100pj/



都の自然資源を活用した実証事業を通じて、農林水産分野における吸収・除去系カーボンクレジットの創出モデルを東京から作り出すことを目的とするものです。本事業は2か年事業として実施されます。
東京都 吸収・除去系カーボンクレジット創出事業:https://www.removal-credit.metro.tokyo.lg.jp/



国際連合広報センターサイト「JAPAN SDGs Action Platform」における「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」によると、以下のように記載があります。

目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
15.1 2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。
15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。
15.4 2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。
15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。
15.6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。
15.7 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。
15.8 2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。
15.9 2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。
15.a 生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。
15.b 保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。
15.c 持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。